あんパン

こしあん派

ロールに求められることと名前は一致させたい

いま所属しているチームには相談役というロールがあって、タスクを進めている人とペアにすることで孤立しないような仕組みになっている。もちろんデイリースタンドアップなどで複数人で相互に見ているのだけど、プライマリな相談相手を決めているという状態。相談役がいることで相談する側が誰に相談するか悩む時間だったり相談される側がタスクのコンテキストを把握する時間だったりが減るのが良いところ。相談役も自分のタスクを持っていたりいなかったりする。

もともとジュニアメンバーにメンターがついて相談を受けていたけど、ジュニアメンバーに限らずどんなタスクでもプライマリな相談相手が決まっているといいよね、という話が元になった。これがだいたい4年くらい前の話。

ところがだんだんチームの規模が大きくなって、うまく回りづらくなっていた。具体的には以下のような状態になっていた。

  • メンバーが増えた結果、相対的に相談役になれるエンジニアの割合が減った
    • 複数の相談役を掛け持つケースが出てきた
      • 把握すべきコンテキストが増えたが、相談役という名前だったためかかる工数の見込みを甘くしてしまった
  • 新しく入ってきたメンバーと既存メンバーの相談役として同じような振る舞いをしてしまった
    • 相談が来るまで待ちの姿勢で居続けてしまった
      • 実際は相手によってもうすこし踏み込んで引っ張ることが期待されていた
      • 例えば進め方や考えに漏れがないかのレビューだったり、間に合わなそうだったらヘルプに入ったり

そうしているうちに、これは相談役という名前ではないよねという話がチームメンバーから持ち上がった。どちらかというとリードしてほしいのでは? という話があったものの、リードともちょっと違う気がしていて、伴走とかコーチとかいろいろな名前を考えてみている。


特定の人を何らかのロールに任命する際は、その名が実態に即しているかは気にしておきたい。気にするタイミングは誰かを何かに任命するとき、とりまく状況が変わるときであろう。

普段エンジニアとしての自分は実態に即した変数名をつけているはずで、ロール名をつけるときに深く考えられていないのは一貫性がないなと思う。いまは紅茶キノコにコンブチャと名付けてしまっている状態といえる。

ついでに書いておくと、ロール名だけでなくて会議の名前もその役割によって変更すべきだと思う。デイリースタンドアップでちょっとおもしろい名前がついているのはいいとして、例えばテクノロジーマネジメント会と称しているのに別にテクノロジーをマネジメントしていない、みたいなことがあると困る。会のメンバーは一緒だけど求められることが変わったり、会のメンバーが入れ替わって方向性が変わると容易に発生してしまう。期やメンバーが変わって会の受け持つ管掌範囲が変わるなら名前も変更すべきか気を払うとよさそう。

逆に、期待する役割があるならその名付けをしておくと沿った働きがしやすくなりそう。

ここまで通して読み返すと、つまるところ期待のコントロールをうまくやれという話なので、それはそうということしか書いていない。けれど細かい期待の変化は意外と見落としがちなので気をつけたい。気をつけるだけではなくて、期の変わり目にリマインダーを仕込んでおくとか、ドキュメントに書いておくとかの対策は取れそう。