あんパン

こしあん派

WU4/H1を購入してArch Linuxをインストールする

2年前に組み立てたThinkPad X270の筐体が割れ始めたので代替PCを探していた。軽量なのがいいと思っていたところ、id:uzullaさんの記事でFCCL(元富士通)の端末がいいというのを見かけて、量販店で触り比べながらWU4/H1という型番のラップトップを購入した。

uzulla.hateblo.jp

ややこしいことに、ほぼ同じ筐体で型番がいくつかあって微妙に仕様が異なる(しかも店頭モデルとWeb直販モデルでも型番が違う)。購入したWU4/H1はバッテリ容量が比較的多めでP系のプロセッサを搭載できてThunderbolt 4が2ポートあるWeb直販モデル。自分はCore i7-1360Pで32GB、SSDは512GBにカスタムして発注した。

最軽量のWU-X/H1は700gを切るが、WU4/H1は900gをギリ切るくらいの重量。とはいえこれまで持っていたThinkPadから比べると300-400gくらい減るのでだいたい缶ビール1本分なくなると考えるとかなり差がある。これでいて画面サイズは16:10の14インチなので驚きがある。

ところでこのシリーズはJIS配列のキーボードしか選べないが、かな刻印がない。バックライトをつけない場合は印字がかなり薄く、一瞬無刻印かのような気持ちになる。なので、違和感なくUS配列として扱うことができている。


WSLを利用するかいつも通りLinuxにするか5分くらい考えて、慣れた環境がいいと思いLinuxを入れることにした。いつも使っているインストールスクリプトで入れた。

github.com

結果、特に何事もなく動いている。sof-firmware をインストールしていなかったためPulseAudioでdummy outputしか存在せず音が出なかったというポカミスはあったがそれくらい。指紋リーダについても fprint を入れることで問題なく動く。なんならmicroSDのカードリーダーもちゃんと動く。まあ令和だしもう動かない方が珍しいのかもしれない。ひととおり動いたのでArch Wikiに動作確認情報を追加しておいた。

あとキーボード関連の細かな話題として以下のような挙動をするようであった。一応忘れないようにメモ。

  • キーボードバックライトはLinuxからは制御できず、fn+spaceで明るさを3段階で制御できる
    • どうもデバイスがないと思ったらOSを介さずに制御することになっていそう?
  • F10を押すとXF86Displayが発火すると思いきやmod+pが発火する
    • xevで様子を確認できる

軽量ラップトップではあるもののキーボードも特に打ちづらいといったことはないし、選べるなかでは一番強いPプロセッサを搭載しているがファンはあまり回らず回っても静音でかなり体験が良い。届いてから1ヶ月弱くらい使って様子を見ていたが特に違和感なく生活に溶け込んでいる。全体的に満足度の高い買い物ができたと思う。

jqで複数ファイルに分割されたJSONの配列の要素数を合計する

jq -s 'add | length' ./*.json でいける。

$ cat a.json
[1, 2, 3, 4]
$ cat b.json
[5, 6, 7, 8, 9]
$ jq -s 'add | length' ./*.json
9

-s--slurp の略らしい。

-s, --slurp read all inputs into an array

以下のように挙動を追うとよく分かる。

$ jq '.' ./*.json
[
  1,
  2,
  3,
  4
]
[
  5,
  6,
  7,
  8,
  9
]
$ jq -s '.' ./*.json
[
  [
    1,
    2,
    3,
    4
  ],
  [
    5,
    6,
    7,
    8,
    9
  ]
]
$ jq -s '. | add' ./*.json
[
  1,
  2,
  3,
  4,
  5,
  6,
  7,
  8,
  9
]
$ jq -s '. | add | length' ./*.json
9

初めて触る言語で爆速に物をつくりはじめるまでにやったこと

とある事情により産業用のプロトコルを喋るコードを書く必要があり、そのライブラリがPython向けにしか提供されていないというケースに出くわした。普段はPerlとTypeScriptのみで生きていて、ときどきGoを触ったりRubyを触ったりシェルスクリプトを触ったり……という感じでPythonは数年前にVimのプラグインを書くのにちょろっと触ったくらい。記憶としてはなんかインデントに意味があったはず、くらいが残っている状態。

教科書的にいうと公式ドキュメントのチュートリアルなどから入って書き方を学びつつREPLで試しましょう、GitHubなどで公開されているコードを読みましょう、といったコースが王道だし丁寧にやっていくならそうなるでしょうと思う。しかしだらだらと勉強から始めていたら成果を出せない、品質はホットモックレベルでいいからとにかく高速に物を作りたい、といったときにこれをなぞっていると足が遅い。そういうケースでこうやったぜ的なTipsを書いてみる。主に作りたいものが決まっている人向けRTAテクといえる。

今回はPythonにフォーカスしているので必ずしも普遍的ではないが、まあまあ他のオブジェクト指向っぽい言語でも流用できるのではないかとは思う。どうでしょう。他の言語を学んでいるかとかのバックグラウンドにもよりそうなのでかなり限定的なポジショントークかもしれない。

依存モジュールの管理方法を学ぶ

  • ローカルのディレクトリに依存を閉じ込める方法を最初に学んでおけるといい
  • ミスってグローバルな領域を汚染するとあとで面倒なことになるケースがある
  • どうせ何らかのモジュールを使わないと開発できないのだから初手で学んでおく

printデバッグの方法を確認する

  • とにかく変数の状態を見られればなんとでもなる
  • Hello, Worldぽいけど必ずしもテキストを出力したいわけではない
    • なんかオブジェクトっぽいものの内部状態とかを出力できると便利
    • メソッドの一覧出す方法とか知っておくと役立つこともある

github/gitignoreを眺める

  • リポジトリに混ぜてはいけないものを学ぶために便利
    • まあパクってきたらいい
  • どういうツールが存在するのかを見るのに便利

作りたいもので使う依存モジュールのコードを読みまくる

  • ドキュメントになくてもサンプルコードがあったりテストを読むとなんとなく使い方がわかる
  • 言語としての文化もなんとなく分かる
    • それが必ずしも一般とは限らないけど……

というわけでこまごま書いてみた。みんなやっとるで、というものばかりだけど、最低限これくらいおさえたらあとは流れで物を作ることはできた。他の人は新しい言語で爆速に物を作りたいときにどこを見ているのかはやや気になる。

わくわくMastodon更新日記

手順通りにやったらなんとかなったのでわくわく要素は無。

個人のSlackのmastodonチャンネルに4.1.1の情報が流れてきたので更新した。4.1.0が出てから運用を開始したので初のアップデート。手順はリリースノートの通り。

github.com


どうせ自分しか使っていないので一旦サービスを落とす。

$ sudo systemctl stop mastodon-*

Mastodonユーザになってアップグレード

$ sudo su - mastodon
$ git fetch
$ git checkout $(git tag -l | grep -v 'rc[0-9]*$' | sort -V | tail -n 1)
$ bundle install
$ yarn install
$ RAILS_ENV=production bundle exec rails db:migrate
$ NODE_OPTIONS="--openssl-legacy-provider --max-old-space-size=2048" RAILS_ENV=production bundle exec rails assets:precompile

ついでに apt update && apt upgrade とかで依存も更新しておく。依存を更新したらrebootしたくなるのでそうした。systemd上はenableされているので再起動後にMastodonのservice群は勝手に立ち上がる。

リリースノートにはDBのバックアップを用意するといいぞいって書いてあるけど自分しか使ってないしいいかとおもってなにもせずに更新した。いずれにせよマネージドなPostgreSQLを利用しているので日次でスナップショットが撮られていて便利。


ついに明後日はYAPC::Kyoto 2023ですね。自分は明日の前日祭からスタッフをやっているので来場されるみなさま一緒にわいわいしましょう。

SSHでログインされたらSlackに通知する

割とn番煎じっぽい小ネタ。このブログは自分用メモみたいなところがあるのでそういうものです。

SSHでログインされたらSlackに通知したい。誰かが入ってきたら分かるようにしたい。コンテナ化された現代の開発ではSSHログインされるサーバがまずなかったりするわけだが、個人がお金をケチって運用しているとまあある。というかこれです。

ホストへのSSHログインがあった場合にそれをトリガーとしてコマンドを実行するには /etc/pam.d/sshd

session optional pam_exec.so PATH_TO_BIN

の1行を足せば良い。PAMはLinuxにおける認証まわりをよしなに扱えるようにする仕組み。configに書いてある行を評価していってログインの成否を決める。sessionはユーザ認証の前後あたりで実行するモジュールを指し、optionalとすることで、以降の成否が認証の成否に影響を与えないようにする。つまりコマンドがコケても無視するというところ。このあたりは man pam.conf を眺めておけば分かる。

pam_execを利用するといくつかの値が環境変数に設定された状態でPATH_TO_BINの実行ファイルが実行される。こちらは man pam_exec を眺めれば分かる。具体的には

the following PAM items are exported as environment variables:
PAM_RHOST, PAM_RUSER, PAM_SERVICE, PAM_TTY, PAM_USER and PAM_TYPE, which contains one of the
module types: account, auth, password, open_session and close_session.

とのこと。これを読みつつPATH_TO_BINの中身は実際には以下のようなシェルスクリプトにしている。

#!/bin/sh

if [ "$PAM_TYPE" != "close_session" ]; then
  echo "$PAM_USER logged in to $(hostname) from $PAM_RHOST" | /opt/bin/notify_slack;
fi

/opt/bin/notify_slack はcatatsuyさんが作られているプロダクトで、この実行ファイルをポン置きしたもの。

github.com

設定はこのドキュメントに書いてある通り、事前にAppを作ってIncoming Webhookを払い出して /etc/notify_slack.toml に置いている。Slackに投稿する部分はcurlなどで書くと煩雑になるので、標準入力で渡せば適当に流してくれるのはありがたい。

ということで、ここまで設定するとSSHログイン時に以下のような通知がSlackへ送られてくる。

Slackにやってきた通知(いろいろ隠した)

SSHログイン時だけでなく単純なユーザのログインなどもトリガーにできるので、デスクトップLinuxでもいろいろ遊べそう。